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2025.12.01 | 資産運用のステップアップ~プロに学ぶ

デジタル証券と不動産クラウドファンディングの違い

──“似ている”ようで実はまったく違う
デジタル証券と不動産クラウドファンディングの違い
デジタル証券と不動産クラウドファンディングの違い

最近、一部の不動産クラウドファンディング商品において、配当の支払い時期が当初予定から遅れる事例が報じられました。これを受けて、「デジタル証券も同じ仕組みなのか」とお問い合わせをいただくことがあります。

結論として、デジタル証券と不動産クラウドファンディングは、いずれも不動産を対象としつつも、適用される制度や資産の管理方法、商品化のプロセスなどに違いがある別の枠組みです。どちらが優れている/劣っているということではなく、目的や想定する投資スタイルによって選択肢が分かれます。

本ページでは、投資家のみなさまに仕組みを正しく理解していただくために、両者の主な相違点を客観的に整理します。

また、比較をわかりやすくするため、本記事ではデジタル証券=不動産を裏付け資産としたデジタル証券に限定して解説しています。(本来、デジタル証券は不動産以外も裏付け資産とすることができます)


デジタル証券と不動産クラウドファンディングの主な違い

不動産を対象にした投資商品には、「デジタル証券」と「不動産クラウドファンディング」の2つの形があります。
一見似ていますが、法規制や資産の守られ方などに大きな違いがあります。
以下の表で、まず全体像を整理します。

デジタル証券 不動産クラウド
ファンディング
①商品の成り立ち プロ品質を個人に届ける手段 個人向けに設計された商品
②法規制のちがい 金融庁の管轄のもと、詳細な情報開示が義務付けられる 国土交通省管轄のもとで運営される。(一部スキームは金融庁も管轄)
金商法よりも規制は緩やか
③資産の守られ方 投資家のお金は事業者本体の資産や他ファンドの資産と完全に切り離される 事業者により管理体制が異なる
※1
④商品化までのプロセスのちがい 銀行のローン審査と信託銀行の受託審査が必須 事業者の判断に依存して商品化される
※2
⑤投資対象のちがい すでに稼働し、安定的な収益を生み出している資産が中心 投資対象案件ごとにリスクとリターンの振れ幅が大きい
⑥利回り表記と換金性のちがい 基本的にインカム(賃料収入)を原資とする。
キャピタルゲインが発生した場合は利回りにより上乗せされる
一見高利回りに見えるものの、短期案件が中心でリターンの絶対額は大きくなりにくい傾向がある。
また、売却益に依存するキャピタル型が多く、価格変動リスクを伴う点にも注意が必要

※1:以下の「資産の守られ方のちがい(分割管理)」を参照
※2:以下の「商品化までのプロセスのちがい」を参照

商品の成り立ちのちがい

まず、両者の「出発点」がまったく異なります。

  • デジタル証券
    資産運用のプロが実際に投資しているような金融商品を、小口化して個人投資家にも参加できるようにしたものです。

  • 不動産クラウドファンディング
    最初から個人投資家向けに設計された商品であり、プロの機関投資家が投資対象とすることは基本的にありません。

💡 つまり、デジタル証券は「プロ品質を個人に届ける」仕組みであり、クラウドファンディングは「個人向けに設計された商品」という出発点の違いがあります。

法規制のちがい

  • デジタル証券
    金融商品取引法に基づき、金融商品として設計・販売されます。

  • 不動産クラウドファンディング
    不動産特定共同事業法のもとで運営され、より不動産現物投資に近い商品性を持ちます。
    (金融商品取引法の規制を受けるスキームもあります。)

💡 金融商品としての「透明性・適合性」を重視するか、不動産投資としての「自由度・裁量」を重視するか──その性格の違いを理解しておくことが大切です。

③資産の守られ方のちがい(分別管理)

  • デジタル証券
    ファンドごとに専用の“特別目的会社”が設立され、倒産隔離されることによって、運用財産の管理が図られています。
    また、運営会社(証券会社)が投資家から預託を受けたは金銭は、専用口座や信託による分別管理が義務付けられています。

  • 不動産クラウドファンディング
    事業者の種類によっては専用口座や信託による分別管理を義務付けられているケースもありますが、一部には、帳簿を分けるレベルにとどまる場合や、そもそも分別管理が十分に行われていない場合も存在します。
    分別管理が不十分だと、万一その事業者が倒産したときに、投資家のお金が他の事業資金と混ざってしまい、返還されないリスクがあります。
    そのため、クラウドファンディングに投資する際は、事業者の管理体制をよく調べることが重要です。

④商品化までのプロセスのちがい

  • デジタル証券
    銀行のローン審査(担保評価や収益性)と、信託銀行の受託審査(信託財産として適格か)という二重のチェックを経て、初めて商品化されます。
    このため、収益性・健全性が客観的に確認された資産だけが投資対象になります。

  • 不動産クラウドファンディング
    信託銀行による審査はなく、事業者の判断に依存して商品化される場合が多くなっています。
    (※銀行のローンの有無は、商品によって異なります。)

⑤投資対象のちがい

  • デジタル証券
    すでに稼働し、安定的な収益を生み出している資産(不動産等)が中心。賃料収入等を定期的に投資家へ分配する仕組みです。 
    そのため、収益の源泉が明確で、分配原資が安定しているのが特徴です。

  • 不動産クラウドファンディング
    投資対象によってリスクとリターンの振れ幅が大きく、案件ごとの差が大きくなりがちです。
    例えば、稼働中の資産に投資する商品もありますが、更地に投資し、建物を建てて売却益を狙う案件も存在します。
    こうした案件は、成功すれば大きな利益を期待できますが、不確実性が高く、現在ニュースで報じられているような配当遅延などのリスクが発生しやすいのも事実です。

⑥利回り表記と換金性のちがい

  • デジタル証券
    基本的にインカム(賃料収入)のみを原資とした利回りです。キャピタルゲインは含まれていません。もちろん、償還時にキャピタルゲインが発生した場合は、その分が利回りに上乗せされます。
    期間は通常5年前後とやや長めですが、その間、定期的に安定した分配を受け取ることができます。
    さらに、デジタル証券「renga」では投資家同士で売買できる仕組みを持っているため、資金ロックの懸念が小さく、必要に応じて途中で換金することも可能です。

  • 不動産クラウドファンディング
    一見高利回りに見える商品もありますが、数カ月程度の短期の案件が多く、リターンの絶対額は大きくなりにくい傾向があります。
    また、売却時の出口を予測してキャピタルゲインを含めた利回り表示になっているケースも多いため、注意が必要です。
    さらに、資金は期間中ロックされ、途中で換金することはできません。

まとめ:仕組みを理解して商品を選ぼう

まとめ

  • デジタル証券は、裏付けとなる投資対象そのものに対して投資する仕組み。
  • 不動産クラウドファンディングは、その会社に対してお金を預ける仕組みが多い。(※一部例外あり)

制度や資産の分別管理、商品設計のプロセスなど、両者は、仕組みの前提が異なります。

それぞれに特性があるため、ご自身の投資目的やスタイルに合った仕組みを選ぶことが大切です。

デジタル証券「renga」は、このような「資産運用のプロも投資している金融商品」を提供していくことで、投資家の皆さまに安心して選んでいただけるような資産運用の仕組みを届けてまいります。

本記事のすべての記載事項は当社の見解であり、監督官庁、当社が所属する協会をはじめとするいかなる団体および個人の意見でもありません。

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